2019年06月20日

読んだ基本書 不動産財産法


私が読んだ不動産財産法の基本書を紹介しよう(星は役立ち度です)。

★★★ A Short and Happy Guide to Property (Short & Happy Guides) 
名著中の名著。分かりづらいproperty lawを平易な言葉で分かりやすく(しかもユーモラスに)説明。どうしてもアメリカンジョークが嫌いない人以外は,本で学ぶなら必ず最初に読むべき本(なお,第1章だけ難しいので読み飛ばすべき)。

★★  Gilbert Law Summaries (18th Edition)
財産法はイギリス時代からの歴史を知らないと法の根拠が分からず理解しづらいが,そのあたりを非常にコンパクトに教えてくれる本。いわゆる予備校本の分類だが侮れない。ただ分量も多く,ここまでやる必要があるかは微妙。

★★★ Property Law For Dummies
ともかく素晴らしい本。ところどころbarexamの範囲を超えている部分もあるが,ものすごく分かりやすい平易な言葉で解説。implied reciprocal negative servitudeなどは私はこの本なしでは理解できなかった。その他,いまいち他の本で分からなかった概念をこの本で容易に理解することができた。
amazon人気は高いが受験生にはあまり知られていない。シリーズが初心者向けなので,馬鹿にされてしまっているのかもしれない。

読んだ基本書 不法行為法

私が読んだ不法行為法の基本書を紹介しよう(星は役立ち度です)。

★★★ アメリカ不法行為法 第3版 (アメリカ法ベーシックス)
私の基本書。このシリーズで一番過不足なくbarexamにマッチしており,多過ぎないが相当量の事例と共に分かりやすく解説しておりお勧め。日本法との違いの説明も分かりやすく,日本法既修者にとっては特に強くお勧め。

★★ A Concise Restatement of Torts
Restatement 2nd & 3rdの重要部分(コメントも含む)の抜き出し。法律の理解という意味では必読の本と言いたいが,受験界通説とRestatement,特にサードは一致していないので,中途半端に読むと逆に混乱する(私は混乱抜けぬまま試験を迎えてしまった)。ただし内容はとても分かりやすく面白いと思う。

★★  Concepts insights on Torts:   
それなりに人気の高い本。理論を学ぶのに良い本でありながらも,同シリーズの契約法とは異なり教科書にもなれるバランスを保っている。ただベースがRestatement 3rdで,これが受験界通説ではないので,その点はかなり注意が必要である。

★★ Short and Happy Guide to Tort
分かりやすい入門書だが,ややぶ厚い。これを読むぐらいなら最初からE&Eに挑んだ方が早道に思える。

★  アメリカ製造物責任法(アメリカ法ベーシックス)
9割以上が試験範囲外。barexamには全く役立たなかった。

読んだ基本書 契約法

私が読んだ契約法の基本書を紹介しよう(星は役立ち度です)。

★★ 体系アメリカ契約法(平野晋)
奇書に近いもの凄い本。英語本にもない独自の構成で大変に面白いが,barexamの重要論点が出てなく,barexamに出ない論点が詳しく説明されていたりするので,ある程度勉強が進んでから読まないとかえって混乱する。好きな本だがこの本の想定読者は誰なのかはかなり疑問。米国法契約実務に携わる人が対象とされているようだが,ここまで深い理解が必要だろうか。。。

★★ アメリカ契約法 第2版 (アメリカ法ベーシックス)
バランスの良い基本書。一つ日本語で学ぶならこの本だと思う。ただし,幻で終わったUCC2003年改正を詳しく解説しているのがかえって混乱を呼ぶ。

★★ Concepts and Case Analysis in the Law of Contracts (Concepts and Insights)
有名裁判例を深く理解させ,覚えるのではなく,考える力を養わせる本,契約法ではナンバーワンの人気本であり私も全科目を通じて一番好きな本。ただ英語が難しく,また受験界通説と違う理論を語っているので,早めに読むとかえって混乱してしまう恐れもある(私はかなり混乱した)。ある程度勉強進んでから読むべき本。

★★ Selections from the Restatement Second Contracts and Uniform Commercial Code for First-year Contracts 2018:
試験に必要そうな重要なRestatementとUCCの条文やコメントを取り上げただけの本。ネットで無料入手可能だが,手元にあると便利だし,すべてが重要部分なので通読したい。

★★ Principles of Contract Law 2nd Edition
十分受験にも耐える基本書だが,平易な英語で分かりやすく記載されており,入門書にもなる。最初の一冊として一番のおすすめ。

読んだ基本書 憲法

私が読んだ憲法の基本書を紹介します(星は役立ち度です)。

★★ アメリカ法判例100選
憲法が約半分。基本過ぎて直接barexamに役立たない判例も多いがこの程度は知っておきたい。英語で同じような本を探したかったが上手く見つけられなかった。Landmark Supreme Court Caseという本は立ち読みしたが,例が多すぎて,説明が浅すぎに思えた。

★★ 続・アメリカ憲法判例
重要判例の日本語での解説。解説はbarexamへの役立ち度という点ではピンキリだし,barexamに役立たない判例も多いが,日本語で読めるのは楽。刑事手続の重要判例もあがっているので,そちらも役に立つ。

★★★アメリカ憲法 第3版 (アメリカ法ベーシックス)
一番利用した本。歴史的背景から最新の判例まで分かりやすい解説。事例も膨大にでている。ただ,ややぶ厚すぎるし,正確性を多少犠牲にしても分かりやすくルール化する予備校本的考えがないので,全般の理解には良いが,直接点数には結び付けづらい。
この分厚さに挑むなら頑張ってChemerinskyだけを読めばよかったと思っている。

★  憲法で読むアメリカ史(全) (学芸文庫) 文庫
アメリカ憲法の歴史を知りたくて読んだ。名著だが,ほぼ1960年代までの歴史であり,その後の判例が中心となるbarexamには全く役立たない。背景を知る読み物なら「アメリカ憲法判例の物語 (アメリカ憲法叢書)」の方が現代的でbarexam準備としては良かった。

★  アメリカ憲法への招待 The Dynamic Constitution
高度で格式の高い入門書。誰をターゲットにしているのかがよく分からない。日本語で読むメリットはbarexam対策としてはなかった。

★★ Understanding the First Amendment (Understanding Series)
アマゾンでの評価は低かったが,第1修正のみに絞った分かりやすい説明がある。最新の裁判例も多く載っており,現代的な問題点を知ることができた。

基本書通読


 私は勝手に基本書と呼んでいたが,一般的にロースクールの補助教材=Supplementと言われるものをよく読んだ(基本書に一番近い英語はhornbookであるが,これは一般的にかなりレベルが高い)。

 多くの日本人受験者のブログなどには,基本書を読む必要はなくアウトラインさえ読めばよいと論じているものが多かった。
 しかし,私はとにかく本を読むのが好きなので,アウトラインだけでは満足できず,半分趣味的に乱読した。
 ただ基本書を読んである程度深い理解をしてからの方がアウトラインも覚えやすい面も多く,ルールも深く知れるので,あてはめのときも楽だと思う。

 もちろん,好き好きはあるとは思うが,少なくとも,日本法と大きく異なる財産法・夫婦共有財産法などは,私は基本書を読まなければ,全く理解できなかったので,そのような科目は,先に基本書を読んだ方が絶対に早いと思う。
 一方で,遺言・信託法は,ほぼ基本書を読まなかったが不都合があったとは思えないし,日本法に近い,あるいは浅い理解で十分な,不法行為法・刑法・商組織法(除く証券取引法)・弁護士倫理などは基本書を読む必要はなかったかもしれないと思っている。