2019年06月17日

リメディ

全般
 日本法にはない科目であり,実体法なのか手続法なのかよく分からない科目。その上,コモンローと衡平法の関係のきちんとした理解が必要であったり,根本から日本法にない概念もあったりして,全般的に理解しづらい科目であった。
 また,普通に勉強していくと契約法でも学び,不法行為法でも学び,リメディ単独でも学ぶことになり,勉強するタイミングがばらばらになるのもやりづらかった。
 簡潔アウトラインとE&Eだけでインプットしたが,あまりいいやり方ではなかった気がする。とはいえ,どう勉強するのが良かったのかはよく分からない。

エッセー
 一番不得意な科目であった。契約法・不法行為法等とセットで出題されることが半分以上だが,単独での出題も相当にある。たくさんあげるべき論点があり,しかも,適切な論点をあげるのが難しい。
 出題頻度が少ないので最近の問題だけでは練習不足になる。90年台前半まで広げて,たくさんの問題を読んで,論点のあげ方を学ぶ必要があると思う。
 さらに,論点をあげられても,あてはめの書き方も難しかった。「…の500万円の内200万円は・・という性格で予見可能とはいえない。よって同200万円を除いた300万円が請求可能な損害である」といった数字や計算があてはめでは必須なのだが,これらを速やかに英語で表現するのが難しかったからだ。そのため,私にとっては,書く練習を出題頻度以上にやる必要があり,リメディのエッセーの勉強には時間を取られた。
 インプットの勉強をもっと省略し,アウトプットの勉強に時間を費やすべきであったと思っている。レベルの高い話は書かなくても合格点は取れる。すべての科目で共通だが,特に,皆が知っているルールを皆がするようにあてはめることを高速でできるようにすることが重要な科目であると思う。
posted by 内田清隆 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 科目ごと勉強法

夫婦共有財産

全般
 日本法には存在しない科目であり,理解は難しい。最初アウトラインを読んでもなかなか理解できなかった。その中で,E&Eの序盤部分は,非常に出来が良く,その序盤部分を読みようやく全体的な考えを理解できた。ここだけでも早めに読んでから,アウトラインの読み込みをはかるべきであったと後悔している(ただ,もっとよい入門書がありそうな気もする。ネットでCAの弁護士が一般人向けにコミュニティープロパティの説明をよくしているが,これを最初に学ぶのがいいかもしれない。)。
 必要勉強量が少ないので,他の科目と同じ時間だけ勉強していると,ずい分得意になることができる科目である。

エッセー
 全科目中,一番答案構成がしやすい科目であり,また,出題頻度の割に覚えなければいけない知識も少ない。短時間で高得点を目指したい科目である。
 とはいえ,パターンを身につけるまでにはそれなりの時間が必要だし,何よりも理解は難しい。
 パターンに絶対的な自信を持てるまでやって,高得点を狙うべき科目だと思う。

 書くべき論点は,比較的多いので,慣れるまでは時間がかかる可能性もある。
 しかし,慣れてしまえば,時間的にも稼げる科目だ。

posted by 内田清隆 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 科目ごと勉強法

遺言・信託

全般
 どちらも色々と探したが良さそうな本がなくて困り,少し詳細なアウトラインも利用したが,barbriのテキストをメインにして勉強をした。
 barbriのテキストを積極的に利用したのはこの科目だけだが,よくまとまっていて便利だな〜と思った。ただ,barbriのテキストは,全体的に,ロースクールを卒業したが人が試験前に利用するために設計されている。そのため,コンパクトアウトライン(通称バーブリ・ミニ)は,コンパクトすぎて,基本がわかっていないと理解困難であると思うし,その他のテキストも同じ問題点はあると思う。

 良い本がない理由は,遺言はCA法のみが出題範囲だが,多くの本はCA法に特化されていないので無駄が多いため。また信託法については,試験のレベルは相当低く,普通の信託法の教科書の半分以下の知識で十分であり,多くの教科書はレベルが高すぎるため。
 ただ,もう少し探せばいい本があったとは思う。
 信託法は,私は日本法の知識がかなりあったので勉強に困らなかったが,それが乏しいと最初に良い入門書がないと困るのかもしれない。

エッセー
 遺言のエッセーは,契約法に近く,常にロングストリーム論点が毎回出題される。契約法よりはずっと優しいが,身につけるのは結構困難なので,数多くの問題を分析し,論点パターンを身につけることが重要。
 一方で,契約法もそう難しくないが,遺言のあてはめはそれ以上に簡単なので,実際に書いて勉強する必要性は少ないと思う。

 信託は,本当は学ぶ範囲は広いのだが,BarExamでは,信託の成立,受託者の責任,信託の変更・終了しか,ほとんど出題されず,かなり出題パターンが限られている。
 選ばれた5問ぐらいをきっちりやりこめば,9割方の試験で高得点が望める。

 両科目ともコミュニティープロパティほどではないが,短時間高得点が目指しやすい科目で努力が報われる科目。同科目で時間的余裕を作りたい。

posted by 内田清隆 at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 科目ごと勉強法

商組織法

全般
 代理法・組合法・会社法・証券取引法が試験科目。前三者は,日本法に非常に近いため実に理解しやすいと思う。しかも州ごとに違う法律の共通部分だけから出題がなされるため,深い知識が問われることはあり得ない(むしろ現実に存在しないBarExam法からの出題と考えた方がよく,中途半端な深い勉強はかえってマイナスになる。)。

 一方,証券取引法は,日本でほとんど勉強したことがなかったので非常に理解に苦労した。アウトラインを読んでも,barbriのテキストを読んでもなかなか理解できなかった。結局Acingを読んで,ようやくばっちり理解できた。同本は証券取引法以外の部分も重要な基本だけが触れられているので,あらゆる意味でおすすめである。
 ただ,いずれにしても理解はしやすい科目であるので,インプットよりアウトプットの練習に力を入れるべき科目だと思う。

エッセー
 非MBE科目は概してそうであるが,エッセーはかなりパターン化されており,決まったパターンの出題が続く。例えば会社法でいえば@設立に問題があるときに個人・会社の責任 A利益相反取引があった場合の取締役又は大株主の責任が出題の9割以上である。過去問をすることで通常のアウトラインに出てきても覚えなくてもいいことが非常に多いことが分かるし,逆に通常のアウトラインに出ていないことでも覚えるべきことがあることが分かる。
 5,6問の過去問をベースに勉強をして,その後にアウトラインで細かいことも覚えるというのが効率が良いと思う。

posted by 内田清隆 at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 科目ごと勉強法

弁護士倫理

全般
 基礎的な考えは日本と同じであり理解しやすい。ABAルールとCAルールを直接読むのが手っ取り早い勉強法かと思う。同ルールの「コメント」には事例も豊富に出ているし,基本書よりもかえって分かりやすい。絶版になりつつあるようであったが,日弁連の本でもよく引用されている完全対訳/ABA法律家職務模範規則を何度も愛読した。
 CAルールは2018年末に変更となり新ルールの勉強が大変であったが,新ルールはABAルールと並び方も表現も非常によく似ているので,違いを見つけるのも簡単で勉強しやすくなったともいえる。
 いずれにせよ常にABAルールとCAルールに基づき回答する必要があり,違いを常に意識して勉強するのが大切である。
 その他,Nutshellの翻訳である「概論 アメリカの法曹倫理―事例解説」をよく読んだ。エッセーにおける重要科目であり,少々深めに勉強しても良い科目だと思う。


エッセー
 エッセーは,とにかく論点発見が難しい。最近のエッセー問題の全科目的傾向は,「どのような憲法上の問題点があるか論ぜよ」といったワイド問題ではなく「@原告に当事者適格はあるか A第1修正に違反するか B同法は連邦の立法権の範囲内か それぞれ論ぜよ」というように,論じるべきことをある程度教えてくれるナロー問題が多くなっている(そういえば憲法では2018Julyに過去のナロー問題をワイド問題で出題した。そういう意味でナロー問題がワイド問題で出た場合にあげるべき論点を勉強することは重要)。
 しかし,弁護士倫理については,常に,「ABA及びCAのルールから問題がある点を論ぜよ」という,ざっくりとしたワイド問題が出題される。そのため,とにかく多くの問題に触れて,論点をあげる練習に努めることが重要である。
 一定のパターンは存在するにしても,他の非MBE科目のように,いくつかのパターンさえ覚えてしまえば楽勝ということもないので,論点あげissue spottingの重要性が高い。

posted by 内田清隆 at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 科目ごと勉強法