2020年01月09日

カリフォルニア州司法試験の難易度


 カリフォルニア州司法試験は全米で一番難易度が高いと言われており,合格率も近年は3〜4割,外国人弁護士受験生については1割強しかないのが通常,非常に難易度の高い試験のように思えてしまう。

 しかし,カリフォルニア州のロースクールを3年かけて卒業した人たちの6〜7割は,一回で合格している。それを考えれば,必ずしもそう難易度の高い試験ではないのだと思う。
 
 もちろん,多くの日本人にとっては言葉の壁があるし,ロースクールに行っていないとなるとさらに文化的なあるいは情報収集に関する障壁が大きく,非常に難易度は上がる。しかし,もともとの難易度はそれほどでもないという認識は必要だと思う。

 カリフォルニア州司法試験においては,他の受験生と差をつけようとしたり,自らの知性を示そうなどとしたりしてはいけない。あくまでも,多数派と同じようにしておくのが無難である(日本の司法試験でもホームラン答案を狙ってはいけないと言われた。それと比較するのであれば,カリフォルニア州司法試験では,毎回送りバントのイメージである。)。
 それは,なぜかと言えば,この試験が,「良い人間を選ぼう」とする試験ではなく,多数と同じ能力に達していない人を「落とそう」とする試験だからである。当たり前のことを当たり前にする能力,それが試されている。

posted by 内田清隆 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
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