基本的にカリフォルニア州司法試験の出題の基本となる法律は大きく変わっていない。20年前の資料でも普通に役立つし,多くの科目は10年前の教材でも十二分である。
というのも,カリフォルニア州司法試験は,基本的にはコモンローから出題されるが,コモンローは長年,蓄積されていた裁判例の積み重ねの上にある基本原則であるため,数年で変わるということはあり得ないからである(加えて,試験自体いい加減なところが多く,多少の誤りは減点にすらならないというのもある)。
5年も前の予備校教材を利用する人はいないだろうが,それでもほぼ問題はないし,1〜2年前の予備校教材であれば全く問題はない(除く弁護士倫理のCA new rule)。
また,最新の最高裁判例や法律変更を追いかける必要もなく,本に出ている範囲で覚えれば十分だ。2017年発刊の本に2016年の重要な最高裁判例が載っていたりすると,新しい重要判例がないか心配になるが,そのようなところから出題されたことは,知る限り(つまりこの20年ぐらい)はない。
ネットによる情報だが,最新の判例が出たとしても数年は出題されないといわれているらしい。
とはいいつつ,いくつかの科目では,古い資料では問題がある場合もあるので,以下,科目ごとの注意点である。
新しい情報が不要な科目
契約法,不動産財産法,刑法,商組織法は,この20年大きく変わっておらず,古い本や資料であっても完全に問題がない。信託法も同様である。
信託法は,2000年に従来のルールと相当に異なる統一信託法が公表され各州で採用が進み,従来のリステイトメントから大きく変わった第三次リステイトメント2012年に公表されるなど,現代化が進んでいる。そのため,本質からいえば新しい資料から学ぶべきである。
ただ,信託法が相当に変化しているとはいえ,カリフォルニア州司法試験でその理解まで必要があるのかは微妙なところで,「高得点を目指す人は新しい資料に目を通して得になることがほんの少しはあるのかな〜」といった程度であろう。
不法行為法は,コモンローがベースであり古い本でもよいが,製造物責任の考え方が20年前とは大きく変わっているので,10年以上前の資料は微妙な場合もある。
商組織法は,法律は頻繁に変わっているのだが,問題に出るのは,変わることのない基本部分である。そのため,20年前のものでもよさそうであり,10年以内のものであれば十分だ。
リメディ―も法源は基本コモンローである。ただUCCや最高裁判例も視野に入れる必要があり,20年前のものでは少し古すぎるかもしれない。とはいえ,10年以内のものであれば十分だ。
新しい情報が必要な科目
弁護士倫理→憲法・刑事手続→遺言・夫婦共有財産,証拠法→民事手続の順番で,割と新しい本がいい。
弁護士倫理については, CA ruleが2018年に大改正をされたため,そちらについては必ず最新のもの(2019年以降)を入手する必要がある(CAruleはほぼ毎回出題される)。
ただ,恐らく良い本はまだないので,まずは規則原文を確認し,その他には,予備校本かネットでまとめを探す必要がありそうである。
ABAについては,改正は適宜あるが,大改正はないと思うので5年前のものでも十分そうだ。
憲法・刑事手続は,最高裁判例が法源で,次々と重要な判例が出るので,新しいものが必要である。
最新の判例からは出題されないので最新のものである必要はないが,できれば2〜3年以内,最悪でも5年以内の資料を参考にすべきだろう。
遺言,夫婦共有財産は,適宜改正がされるカルフォリニア州制定法が法源である上,重要な州最高裁判例なども出ているため,2〜3年以内に出版された新しい本の方が良いことは確かだ。
ただし,MBE科目などと比べて,新しい点が,出題される可能性が非常に低いため,実際には古い本であっても影響はまずない。
証拠法は連邦法,CA法とも定期的に改正されており,重要な最高裁判例も出ているため,5年以内のものを利用したい。
民事手続も,主法源であるFRCPが2007年に大改正が行われており,頻出のpersonal jurisdictionについては最高裁判例が法源とされ,割と揺り動いているため,少なくとも10年以内,できれば5年以内に出版されたものが安心である(Ca民訴については勉強不足で分からない)。
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