おすすめ教材
MBEの勉強教材の人気御三家は,少なくともアメリカでは以下の三つである。
@Barbri MBE Practice Questions
(基本は市販されていない。
Ebayで購入可,たまにamazonにも出る)
AStrategies & Tactics for the MBE
(Emanuel Bar Review)
BAdaptiBar(アプリ)
その他
Cカプラン,テミス等の予備校教材
DStrategies & Tactics for the MBE2
EStrategies and Tactics for the FINZ Multistate Method (Emanuel Bar Review Series)
などもそれなりに利用されているようだ。
私は@600問 A500問 B2000問 とbarmax (アプリ) に入っていた100問ぐらいの合計3200問(ただし,重複あり)ぐらいをやった。
ABは民訴を除き過去問集,@CDEは創作問題集である。
一般的に予備校教材は,実際より難易度が高い。私で言えば,@は過去問より10%ぐらい点数が低かった。
@ABで言えば,私のお勧めはAB@の順での勉強。Bのbarbriは少しレベルが高いので,勉強が進んでからやった方が効率的である。
また,Aは,一番解説が充実しており,また各科目の注意点,全般的な解き方のコツも詳しく解説してあるので,一番最初が望ましい。Bはやや解説が薄いが,アプリであるため,どこででも隙間時間にやれるという大きなメリットがある。
何問やるか
MBEの練習を何問やるかについて,アメリカ人は1000問ぐらい,日本人は2000問ぐらいが,ネットで見る限りの平均のようだ。
極端な話,MBEはessayとは異なり,全く過去問をみなくても法律さえきちんと理解していれば満点が取れるので,何問しなければいけないということはない。
しかし,私の経験からいえば,1500問はした方がいいと思う。
というのは, 500問 65%
1000問 70%
1500問 75%
2000問 77%
2500問 79%
3000問 80%
という感じに私は成績が上がっていき,1500問までは非常に順調に成績が向上したが,そこからの伸びは著しく悪くなったからである。
なお,勉強当初は1問解くだけで5分以上かかり,3000問なんてできるはずがない!と思っていた。しかし,本番は3時間で100問解かなければいけないわけで,3000問でも90時間,全体勉強時間に占める割合は多くはない。そう思うと数多く問題を解くのが良いわけではなく,インプット,エッセー勉強をにらみながら,必要な量をやることが大切かと思う。
どんなふうに勉強するか
私は,できなかった問題,できたけどよく分かっていなかった部分の覚えるべきことを,毎日ノートにまとめて,週末にそれをマイアウトラインに入れていく,そして同アウトラインを定期的に見直すという作業を基本的な勉強とした。
その中で,よく分からない部分,納得できない部分は本やネットなどで調べていくという作業も行った。
基本的にやり方は間違っていなかったと感じているが,分からない部分を調べるという作業に時間をかけ過ぎたかもしれない。調べ始めると,裁判例を調べたり,論文を調べたりしてあっという間に1時間が経ってしまったりするのだが,意外にいい加減な問題も多く,そこまで調べてもよく分からないことも多い。重要な部分だけ調べて細かな間違いは「問題悪いな〜」ぐらいに思って無視する大雑把さが必要だと思う。
ただ,無駄のようでもそうやって調べることは英語力や法的文書読解力向上には役立ったのだろうと思う。
噂によると,答えは多数決を考慮して決める。Aを正解のつもりで問題を出してもCに回答が集まるとACともに正解にしたり,場合によっては採点対象から外したりしているらしい。Barexamの性格のよくわかるエピソードである。
essayも含めて,個性を出すのではなく,いかに皆と同じような回答をするのかが重要であり,「正しい回答」を目指すのでなく,受験者の多数が正しいと思う回答を目指す必要がある試験ということである。
時間との戦い
エッセーほどではないが,MBEもかなり時間との戦いだった。時間内に全問解けるようになれるかが非常に重要である。
私は,試験2週間前に,ようやく100問を3時間で解けるかな〜というレベルに達し,本番では5分ほど早く終わり,ごくわずかにだが見直しができる程度のスピードで解けるようになった。
時間がかかるのは,英語力の問題だと思い込んでいたが,よく調べてみると,英語力以上に,回答を考えている時間が長いことが問題であった。ABCDの全部の選択肢を読んで回答を考えるのと,問題文を読んで回答が分かり,それをABCDの中から探すのでは,時間的に大きな差がある。
さらに,慣れてくると問題文を全部読まなくても「あれを聞きたいのだろうな」と予想がつき,問題文を飛ばし読みして予想が正しいことを確認し,回答を探せることも増えてくる。
そのため,時間の問題は,英語力で解決するというよりも,多くの問題をやりパターン把握と知識の確実化で克服できる場合が多いのではないかと思う。
時間を測って一定問題数を行う練習は,試験1か月前になるまでしなかった。力がつけば自然に早くできるし,力がなければ急いでも早くはできない。練習段階では余り時間を気にせず一問一問大切にやっていくということで良いのかと思う。
もっとも,直前には時間を測ってやる練習はした方がいいと思う。本番でどれぐらい時間があるのか,あるいはないのかを知っておくと,本番で無用に緊張したり,時間配分に気を取られ過ぎないですむ。
なお,adaptibarでは回答までに要した時間ごとに正解率が記録されるが,それを見て「下手な考え休むに似たり」を痛感させられた。1分以内で回答した場合の正答率は90%に及ぶのだが3分以上考えた問題は60%を下っていた。
分からない問題は考えても分からないのであるから,分からない問題に時間を使い過ぎないことが重要というわけである。
【 MBEについての最新記事】